LUMAGROW

温室

温室の頂部照明と株間補光(インターキャノピー):トマトとキュウリの場合

温室著者: LUMAGROW 技術チーム
キュウリの条間に設置された下向き補光用LED

トマトやキュウリのような丈の高いつる性作物では、頂部照明だけでは下層と内部のキャノピーが光不足に陥る。上位葉がその下のすべてを遮るためだ。株間補光(インターライティング)は、キャノピーの内部、条と条の間に器具を配置し、頂部光が届かない場所へ光子を届ける。両者は競合関係ではなく、同じ遮光問題の異なる部分を解くものだ。本記事では両者を比較し、つる性作物に対してどう組み合わせるかを判断できるようにする。

それぞれが実際に果たす役割

頂部照明は、光合成有効放射の大部分を上方から供給し、温室の補光計画の基幹となる。株間補光は、遮られた中間層と下層のキャノピーを対象とし、頂部光が上位葉に遮られてしまう深部での受光量を引き上げる。つる性作物に関する研究や生産者の報告では、内部キャノピーを照らすことで収量や品質が反応した事例が一般に述べられているが、その反応の大きさは作物、栽植密度、気候によって異なる。

頂部照明と株間補光 — 役割の比較
項目頂部照明株間補光(インターキャノピー)
設置位置キャノピーの上方条間・条の内側
主な役割DLIの大部分を供給遮られた内部キャノピーを照らす
適する作物すべての温室作物丈の高いつる性作物(トマト、キュウリ)
主なリスク上位葉による下層の遮光密植条での発熱と作業負荷
一般的な使い方常時キャノピーが高く密なときに追加

株間補光は分配の修正であり、代替ではない

株間補光が頂部照明を置き換えることはほとんどない。頂部光が届かない植物体の部位へ光子を再分配するものと考えてほしい。一般的な手法は、DLI目標の大部分を頂部照明で満たし、そのうえで株間補光を追加して内部キャノピーのPPFDを高め、下段果房の生産性を保つというものだ。株間補光は植物組織に近接して配置されるため、器具の発熱と間隔は、頭上に吊るすバー以上に重要になる。

測るのは上方ではなく、キャノピーの内部

つる性作物で有用な数値は、頂部の測定値ではなく内部キャノピーのPPFDである。頂部で問題なく見えるレイアウトでも、下段果房は光不足になり得る。株間補光を評価するには、キャノピーの深部で測定すること。

エネルギーと作業負荷のトレードオフ

株間補光は、もともと密な条に器具、配線、作業を追加するものであり、気流を管理しなければ湿度と病害圧を高める可能性がある。その見返りは内部キャノピーの生産性である。判断は経済的に行うべきだ。深部キャノピーの増収分が、器具と作業のコストに見合うのか。その答えは作物の価値と気候によって変わるため、拡大導入の前に実証試験を行うこと。

株間補光を追加するかの判断チェックリスト(計画用。実証試験で検証すること)
チェック項目株間補光を追加すべき条件見送るべき条件
キャノピーの高さ丈が高く密なつる性作物低い、または疎な作物
内部キャノピーのPPFD目標を明確に下回るすでに十分
作業体制密植条の管理が可能狭くアクセスが難しい
作物の価値高単価のつる性作物低マージン

関連製品と参考資料

当社の温室用頂部照明と株間・株下用LED栽培灯のラインが、この両方の役割を担う。温室全般の手法については温室向け業界ページを参照されたい。

両者を選び分けるための判断フレームワーク

選択が二者択一になることはほとんどないが、主系統は作物のアーキテクチャに合わせるべきである。次のフレームワークは結論ではなく、検討の出発点として用いてほしい。

  • 支柱仕立てでキャノピーが密な丈の高い作物(トマト、キュウリ、ピーマン):頂部照明を基本系統とし、下位葉の光不足が収量や果実品質を制限している場合に株間補光を検討する。
  • 丈が低く均一な作物(レタス、ガター栽培の葉菜類、花壇苗):頂部照明だけでほぼ十分であり、株間補光は埋めるべきキャノピーの空隙がないままコストだけを増やす。
  • 既存のHPS設備がある改修案件:HPSの頂部照明をLEDの頂部照明に置き換えるのが第一段階であり、株間補光は1シーズンのキャノピーデータを得た後の第二段階の判断とする。
  • 高ワイヤー作物の新築案件:初日から設置しない場合でも、後から手戻りなく株間補光を追加できるよう、構造と電気レイアウトを設計しておく。

株間補光の設置と安全に関する考慮点

器具をどこに置くかが重要

株間補光モジュールはキャノピーの内部、葉、灌水ライン、作業者のすぐ近くに位置する。このことが設計条件を変える。器具には台車や収穫機器に対する機械的保護が必要であり、配線は水から離して引き回す必要があり、表面は洗浄可能でなければならない。温かく湿度の高いキャノピーはバイオフィルムや藻類にとっても良好な環境だからだ。IP保護等級、ケーブル管理、器具の表面温度は、いずれも頂部照明の設置以上に厳しく検討する価値がある。

株間補光がキャノピーにもたらす変化

キャノピー内部に供給された光は、頂部照明がほとんど届かない葉に到達する。これにより下位葉の光合成が改善し、普及機関が報告したいくつかの試験では下段果房の着果も改善し得る。微気象も変わる。器具はキャノピー内部に小さな熱源を加えるため、局所的な湿度をわずかに下げられる一方で、気流設計の重要度を高める。株間補光の採否は、複数の高さでのキャノピーPPFD測定を1シーズン行ったうえで判断すべきである。必要性は区画ごとに異なるからだ。

購入前に確認すべき質問

  • サプライヤーは、頂部と株間の両方の光学系を同一プラットフォームで提供し、制御とスペア部品を共通化できるか。
  • 株間補光モジュールの防水、機械的衝撃、キャノピー温度に対する定格はどうか。
  • サプライヤーは、同等の規模と作物の温室導入事例を示し、参考となる生産者を紹介できるか。
  • 株間補光器具は、作物を撤去せずにシーズン途中でどのように保守するのか。
  • 付属する取付・配線資材は何か、構造側で用意すべきものは何か。

頂部照明と株間補光を比較する際のよくある誤り

この比較は、重層的な問いに対して単純な答えを誘いやすい。次の誤りは実際の案件で繰り返し現れる。

  • 他の農場で試験が成功したという理由だけで株間補光を選び、自圃場でそれを正当化する下層キャノピーの光不足を測定していない。
  • 両システムを代替関係として扱う。丈の高い作物では、これらは異なるキャノピー深度における補完関係にある。
  • キャノピー内部の設置作業の複雑さを過小評価する。配線、台車からの保護、シーズン途中の保守は実際のコストである。
  • 屋根設置の頂部照明とキャノピー内モジュールでは取付金物が大きく異なるのに、それを無視して器具単価だけを比較する。
  • 自分の構造物で光が実際にどこで不足するかを示す1シーズンのキャノピー測定を省く。
  • 気流設計を後回しにする。株間補光は局所的な対流を変え、滞留部が生じやすい。

判断の前に測る:1シーズンのプロトコル

何を、どこで測るか

1シーズンのプロトコルには、キャノピー頂部のセンサーだけでは足りない。量子センサーを3つの高さ(上層、中层、下層)に、代表的な数条に設置し、シーズンを通じて記録し、晴天週と曇天週で垂直方向の光プロファイルを比較する。下層キャノピーのPPFDが、頂部キャノピーの小さな割合を何週間も下回るなら、それが株間補光の対処すべき不足である。そうでなければ、その資金は別の用途に充てるほうがよい。同じデータは、推測ではなく株間補光の出力を正しく設計するためにも使える。

センサーだけでなく、作物を読む

センサーは光がどこにあるかを示すが、それが重要かどうかは作物が示す。下位葉の退色、早期の老化、弱い下段果房は、介入を正当化する農学的症状である。これらの観察を光の記録と併記することで、漠然とした印象が判断資料に変わる。この区画、この不足、この症状、この対応、という形だ。文書化された事例に対するサプライヤーの反応は、カタログ見積の依頼に対する反応とは異なる。

高ワイヤー仕立てトマト区画の判断マトリクス(例示であり、一般則ではない)
観察された状態根拠の強さ想定される対応
下層キャノピーがシーズンを通じて頂部PPFDの30パーセント超強い頂部照明のみ。翌シーズンに再検討
下層キャノピーが冬期の大半で15パーセント未満強い区画の一部で株間補光を試験導入
プロファイルが混在し、症状が不明瞭弱いもう1シーズン測定を継続
高ワイヤー作物の新築案件構造的将来の株間補光用に配管と電源を設計

検証可能な参考文献

よくある質問

株間補光は頂部照明を代替できるか+

ほとんどできない。内部キャノピーへの光の再分配であり、DLIの大部分は依然として頂部照明が担う。多くの計画では頂部照明を維持したまま株間補光を追加する。

どの作物が最も効果を得やすいか+

トマトやキュウリのように丈が高く密なつる性作物で、上位葉が下段果房を遮る場合。丈の低い作物では効果は小さい。

株間補光は病害リスクを高めるか+

密植条で湿度を滞留させれば高まり得る。気流と栽植間隔を管理すること。近接配置のため、熱と水分に注意が必要である。

内部キャノピーが光不足かどうかを知るには+

頂部だけでなくキャノピー深部でPPFDを測る。頂部から内部キャノピーへの大きな低下は、株間補光が対処すべき格差を示している。

増収は保証されるか+

保証されない。報告される反応は作物、栽植密度、気候によって異なる。増収は約束ではなく、試験で検証すべき仮説として扱うこと。

株間補光器具はどこに設置すべきか+

条間のキャノピー中位で、植物体から離し、気流を確保できる位置。正確な高さは支柱と栽植間隔による。

商業用植物育成照明のプロジェクトをご検討ですか?

栽培面積・作物・目標PPFDに基づいて、器具と照明レイアウトをご提案します。ブランドや販売代理店向けのOEM・ODMにも対応しています。

照明ソリューションを相談する

LED植物育成ライトについてご質問はありますか?

FAQセンターでは、商業用植物育成照明、PPFD、スペクトル、温室での用途、OEM製造、卸購入に関する実務的な回答をまとめています。

FAQセンターを開く